ばやしのブログ

アジャイルとかやる中で考えていることを書きます

やったことない事を提案する人が知らず知らずのうちに不利な議論しちゃってる問題

どうも、ばやしです。SIerアジャイルやってます。アジャイルやっていく中で色々と思いついたことを備忘録的に書き連ねていきます。

 

今回は「やったことない事を提案する人が知らず知らずのうちに不利な議論しちゃってる問題」に関して書いていきます。

職場で新しい事を提案する時、こんな反応をされた経験はありますでしょうか。

「それって絶対必要なの?」

こう言われると「必要です」と言い切るしかなく「なぜ必要なのか」を事細かに説明しなければならなくなります。

必要な理由をいくらあげても「でも、こういうやり方でも出来るよね」などと既存のやり方に少しの工夫を加えた代替案を出され、提案した側としてはモヤモヤを抱えたまま、結果として提案は丸め込まれて、自分が問題だと思っていた内容は何も解決せずそのまま提案前の状態に戻ってしまう。 

そんな経験はありませんか?

なぜ、モヤモヤを抱えたまま帰ってしまうんでしょう。

 

実はこれには提案を受ける側のトラップが仕掛けられています。

 

本来提案とは提案前と提案後の状況を比較し、(導入コストも含めて)どちらの方が良いかを審議した上で判断されるべきものです。

しかし「それって絶対必要なの?」という一言で、導入前と導入後の比較ではなく、その提案が絶対に必要なことを証明する責務を、提案者が一方的に負わされる状態になります。生半可なコストメリットやモチベーション向上では納得されず「開発が止まります」「みんなが会社を辞めます」などと言った絶望的な状況になるのを食い止めることを証明しなければならなくなります。

f:id:bayashimura:20191119181345p:plain

果たしてあなたの提案はそんな絶望的な状況を救う銀の弾丸なんでしょうか。

 

このトラップから逃げ出すにはあなたが自分の提案が銀の弾丸などではなく、導入前と導入後を比較した結果「どちらかと言うと良い」案であることを認識し、かつ相手にも理解してもらいながら議論を進めることが大事です。

f:id:bayashimura:20191119181408p:plain

例えばクラウドサービスの利用を提案するとします。

必要と言い切るパターン

「最近のクラウドにはこんな機能があって、生産性が上がります。」

「それ本当に必要?」

「必要です。サーバのインスタンスをすぐ増やせたり、オートスケールなんかも」

「いや、インスタンス増やすなんてオンプレミスでもできるじゃん。オートスケールは需要予測をしっかりしておけばそもそも必要ないでしょ」

「それは、そうですけど、、、」

 

どちらかと言えば良いと言うパターン 

「最近のクラウドにはこんな機能があって、生産性が上がります」

「それ本当に必要?」

「いえ絶対に必要とは言えません。ただしメリットとデメリットを比較して、導入した方がメリットが多いため提案しています」

「なるほど、確かにインスタンスを増やすコストは圧倒的に低いね。ただオートスケールは需要予測をしっかりしておけばそもそも必要ないね」

「需要予測を外してしまった時のリカバリ策として設定するのに、ほぼ稼働はかからずできます。そこも惜しい場合は使わなければ良いだけです。」

 

どうですか?絶対に必要かどうかという観点で判断しようとしていた上司が、この一言でどっちが良いかの観点で判断しようとなりますよね。それはあなたが提案前に持っていた観点と同じであるため、話はスムーズになりますし、相手側からの意見も自分と観点があっているため反論もしやすくなりますよね。

 

是非、議論の際は観点を合わせて「議題」vs 「わたしたち」という構図になるようやってみてください。