どうも、ばやしです。
表題の通りポプラ社ロジスティクスさんの倉庫を見学したので参加メモです。

そもそも何で見学することになったのかと言うと、Women in Agile & Agile Leadership Summitのクロージングキーノートにて、講演いただいたいわきりさんにお誘い頂き見学させていただきました。
以下、見学記録です。
施設の設計思想と立地
倉庫内はオートシャッターが完備されており、非常に清潔な空間でした。書籍の倉庫としてはそこまで清潔に管理してるのは珍しいらしく、なんでも「目指したいのは食品会社の品質管理だよね」と食品工場を手がける業者に建設してもらったとのことです。かっちょいいですね。
また、倉庫を見学させてもらった際に、高速のインターチェンジ近くて便利だなーなんて何気なく思ってたのですが、よく考えたらインターチェンジの近くに置くのって物流だからめっちゃ大事じゃんと人知れず感嘆しました。我々で言う駅前みたいな感じですよね。これまでの人生で物流倉庫の建設計画を立てたことがないことがバレちゃいましたね、お恥ずかしい。
物理本におけるカバーの存在
電子書籍派の私ですが、最近子どもが絵本を読みはじめ物理の絵本を購入するようになりました。その際に立派なハードカバーの表紙にわざわざペラペラの紙のカバーが付いてて「せっかく立派な表紙があるからカバーつけなくていいのに。バーコードを表紙に印刷したくないとかなんかな」と不思議に思ってました。今回、倉庫の業務を見学してハードカバーの絵本になぜ紙のカバーが掛けられているのか、その理由を理解しました。
出版流通では約3割の返品が発生するそうです。店頭の保管状態は様々で倉庫にあった返品された本の中にはカバーの色が落ちてしまっているようなものもありました。そんな戻ってきた本のカバーを取り替え、背表紙以外の三方を研磨する「改装」という工程を経ることで、新品同様の状態で再び店頭に戻すことが可能になります。
変更の多い箇所(痛みやすいカバー)と変更のない箇所(痛みづらい本体)を分離し、変更の影響を局所化するのはソフトウェア設計みたいで面白いですね。価格改定の際もカバーの差し替えだけで対応できるため、長く続く中で最適化された仕組みなんだなと思いました。
いわきりさんが「カバーを付けない方がエコに思えるけど、実際にはカバーがある方が廃棄する部分が少なくて済むからエコなんですよね」と言ってたのが印象的でした。
返品から移行していく
新しく他社の倉庫業務を受け入れる際のプロセスも興味深いものでした。一度にすべての在庫を移動させるのではなく、まずは返品の受け付けから開始し、段階的に在庫を移していく手法を取っているそうです。
この進め方は、レガシーシステムを段階的に置き換える「ストラングラーフィグパターン*1」みたいで、リスクを制御しながら移行を進める手法として共通点があって面白いですね。
アナログとシステムの最適化
現場では、すべてをシステム化するのではなく、アナログな管理とシステム化の塩梅が調整されていました。本といっても手のひらサイズの文庫本からドデカ分厚美術書までそれぞれサイズが異なり、近年ではグッズが付属するものも増えています。
これら多様な物理形状に対応するためには、すべてを厳格にシステム化するとかえって柔軟性が失われそうです。見学の最後に「エンジニアの皆さんから見てオペレーションを効率化できそうなところありました?」と聞かれたのですが、システム化されてるところとされてないところの塩梅も(一見しただけですが)絶妙で「素人の俺が言えるようなことはなにもない…」ってなりました。
物流のキャパシティと絶版の理由
以前から絶版が起こる理由があんまり分かってなくて、世の中から書籍が失われてしまうのでもったいない…データあるんだろうから流通させればいいのにと安易に考えていました。 しかし今回物流倉庫を見学させてもらって、物流倉庫で管理する点数が増えることの負荷を物理的な視点で捉えると、絶版という現象が起きる理由が理解できました。世の中に本が流通し続けるためには、物流倉庫の棚という限られたリソースを管理し続ける必要があり、その点数の多さがそのままオペレーションの難易度に直結していることを実感しました。我々もプロダクト開発をしている中で使われていない機能は削除することが推奨されていると思うのですが、それと同じなんだなーという感想です。
以上、ポプラ社ロジスティクスさんの倉庫見学の感想でした。 今回見学させていただいたポプラ社ロジスティクスさん及び誘っていただいたいわきりさん、本当にありがとうございました!
*1:古いシステムを一度に作り替えるのではなく、新しいシステムをその周囲に少しずつ構築し、機能ごとに段階的に移行していく手法








