
Linc'well株式会社一般社員のばやしです。オンライン診療システム提供サービス事業のエンジニアリングマネージャーをしています。 私はエンジニア→EM→(転職して)エンジニア→EMというキャリアを歩んできました。
柳川さんオマージュ挨拶から始めました。一般社員ってわざわざ名乗るの恥ずかしいですね。 このブログは柳川さんノッカリアドベントカレンダーのpart 4 15日目です。
私が乗っかるのは「するどいやつは嫌なやつ」です。
私も「口だけは達者」とか、「ああ言えばこう言う」「末は詐欺師か弁護士か」とか言われて育てられてきたので、このテーマについて語りたいと思います。
エンジニアリングマネージャーだけど嫌なやつ
自他共に認める嫌なやつな私ですが、現在、エンジニアリングマネージャーとしての職責を担っています。そのため私はメンバーの成長のサポートやモチベーションコントロールなども仕事としています。 もちろん1on1もあります。そしてその中で成長のサポートをしようと自分の嫌なやつとしての能力をフルに発揮するとすごいことになるでしょう。
「あの発言はいただけなかった」
「あの場でああいうムーブをしてほしかった」
自分が思い描く理想的な振る舞いとのギャップを逐一指摘したら、間違いなく1on1は相手にとって苦痛な時間になるでしょう。 結果一瞬で私の元からは人が去り、管理する人がいないマネージャーがそこに爆誕しそうです。 (まぁ多分その前に私が今のポジションを任せられなくなる方が先だと思いますけど)
自分の鋭さを披露する気持ちよさ
嫌なやつを助長する要素は他にもあります。 指摘は相手のためにしていると思っている人は多そうですが、いざ指摘している時の自分の感情に目を向けてみるとそこには気持ちよさが確かに存在します。指摘されてる側も真面目なので明確にかったるい顔などせず殊勝な顔をして聞いてます。自分はみんなとは違う観点で素晴らしい提言をしたぞ!思いついたことを言うだけなのでほぼノーコストでみんなから尊敬されて、自己顕示欲が満たされますね。 (余計な話ですが自己顕示欲満たさせる音は絶対ジュワ〜ですよね)
古来より自分の欲求を満たす要素の方が多い指摘・アドバイスのことをアドバイス罪とかクソバイスと言うみたいですね。複数の用語があることから分かる通りこれは割と一般的な事象なのかもしれません。 posfie.com
そんな感じで指摘の気持ちよさに溺れてどんどん嫌なやつになっていくことありますよね。指摘は良いことであるという前提に基づいて、気付いたことを全部指摘してくるし、まぁ正鵠を射てるんだけど別に誰のためにもなってない。正鵠を射てるので、別に誰からも否定されず自分でもおかしいとは思わないけど、どんどん周囲からの評価は下がっていく。
完全に余談ですが、相手から「昨日掃除忘れてたでしょ」などの指摘をされて「それはごめん。でもあなたもトイレットペーパーを使い切ったあと変えてなかったから直してほしい」みたいに指摘をすることをリベンジ指摘と表現してます。これも本当に相手の行動変容を望んでの指摘というよりは不利な状況や自分の感情をイーブンに持ってくための指摘です。
相手のためになる指摘
そんなわけでEMになりたての頃、「自分はマネージャーだから指摘をしないといけないんだけど、嫌なやつにはなりたくないな」と悩んでいました。
当時、私は『品川アジャイルラジオ』というポッドキャストを配信していたのですが、ちょうど『エンジニアリングマネージャーのしごと』という書籍が出版された時期でもありました。そこで、翻訳者の一人である永瀬さんをゲストに来てもらいました。
もう3年ほど前のことになりますが、その時に永瀬さんがおっしゃっていたことで、未だに強く印象に残っている言葉があります。
私「フィードバックの機会を伺ってタイミングを逃すんですよね」
永瀬さん「まぁ本人の進みたい方向との乖離は早く言ってあげたほうがいいですよね」
鋭い指摘も相手の進みたい方向へのアドバイスになれば、それは嫌なことではなくなりそうですね。
例えば野球のバッティングコーチが選手のスイングのクセに鋭く気付く。 選手もコーチも、もっと打率を上げるという共通の目標を持っているので、これは役に立つアドバイスです。なんなら指摘しないほうが嫌なやつですね。 一方コーチが選手とプライベートで行った食事会で、食事の作法について指摘してきたらこれは嫌なやつな気がしますね(もし選手が食事のマナーもフィードバックしてほしいとコーチと合意してたらその限りではないですが)
ということで、永瀬さんのこの話を聞いてから私は基本的に相手がどうなりたいかを聞いて、会社やチームとしてはどうなってほしいかを伝えて合意が取れた像に対してどうやったら近づけるかのアドバイスをすることにしています。
それ以外の「俺が思う完璧なエンジニア」になるためのアドバイスはしないようにしました。
そうすることで、自分のするどさが誰かに嫌な気持ちを与えるのではなく、誰かの役に立ってるといいですね。