ばやしのブログ

アジャイルとかやる中で考えていることを書きます

RSGT2022を支える配信技術

* この記事は品川アジャイルのメンバーで書きました。

リモート

どうも、品川アジャイルです。この記事はAdvent Calendar for upcoming Regional Scrum Gathering Tokyo 2022の二日目です。昨日のアドベントカレンダーはmiholoveさんでした。

miholovesq.hatenablog.com

 

今年もRSGTの季節に近づいてきましたね。RSGTはGatheringの名の通り参加者同士の交流を大事にしており、長らくオンサイトでの開催をしていました。しかし昨今のコロナ禍の影響で昨年のRSGT2021ではオンサイトとオンラインのハイブリッド開催を実施しました。そんなハイブリッド開催でもオンサイトの人とオンラインの人をつなぐべく、品川アジャイルで映像・音声配信の一部を担当したのですが、今年も引き続き担当します!

昨年はRSGTが終わった後に、配信環境の説明エントリを出したのですが、事前にお伝えしておくことで練度の高いRSGT参加者の皆さんに助けてもらえるかもという下心もあり、今回は事前に公開します。

 

ちなみに昨年の配信環境説明はこちら

tech.forstartups.com

 

今年は昨年のつらみと学びを踏まえ配信環境もパワーアップしております。

 

昨年のつらみと学び

M1 Mac再起動しちゃう問題

壊れたノートパソコンのイラスト

昨年登場して一世を風靡したM1 Mac。我々配信班もその圧倒的なバッテリー性能と静音性、コストパフォーマンスから配信に最適だと考え配信用PCとして採用しました。しかし新製品にありがちな、長時間配信をしているとたまに強制終了するという不安定さを内包していました。昨年のRSGTで配信面で何回かトラブルがありましたが、ほとんどの原因がこれでした。

 

配信担当が2人張り付いていないといけない問題
構成が複雑かつM1 Macが不安定なため、配信環境を把握している人がずっとそばについている必要がありました。互いのトイレ休憩も踏まえ1部屋につき2人。品川アジャイルの配信班で3部屋担当していたため計6人がずっと張り付いている必要があり、これは中々のしんどさです。私自身RSGTの初日は配信面でトラブルがあったこともあり、講演が終わったらすぐさま家に帰りそのまますぐに寝ました。これが毎年続くと品川アジャイルが配信の一部を担当していくのは持続的ではなくなりそうなので結構クリティカルな問題です。(世の中の配信業者様は本当に大変な作業をしていることが身に沁みました!)

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配信が止まると公演も止まる問題
昨年の配信構成を考えている時点では「配信が止まってもオンサイトの参加者が講演を受けられていることが大事だろう」という仮説を持っていました。ハイブリッド開催になる前までは配信なんてされずにいたので、それまでに比べてイベントの価値を落としていないはずという考えです。そのため、配信にトラブルが発生してもオンサイトでは講演が続けられるような構成になっております。

 

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昨年の構成は、中心のピンク色の部分が従来のカンファレンス構成で、その外側はハイブリッド用の追加構成部分。ネットワークが切れて外側が止まっても、内側の従来構成は機能する前提で組まれている。

 

しかし蓋を開けてみれば、配信が止まりオンラインの参加者がDiscordなどで配信が止まったことを告げると講演がストップします。これは我々が立てた仮説が間違っていたことを示します。ということで今年は「配信が止まってもオンサイトの参加者が講演を受けられていることが大事だろう」という仮説は捨て「配信が止まると講演が止まる」という考えでオンサイトでの映像音声出力とオンラインへの出力を、より密結合にすることでよりシンプルにしております。

 

今年の構成

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今年の構成は、講演者PCからのプロジェクタ接続を省略した。講演者が会場WifiからZoom向けに資料を画面共有すれば、iPad経由で会場にも投影される。オンライン参加者にどんな画面が見えているのか、講演者からも確認できるようになる。

 

昨年との違い

 

iPad Center StageとiRig2の登場

上述したM1 Mac不安定という問題と、配信構成複雑という問題を解決したのがiPadとiRig2でした。iPadにはカメラがついており、さらに、Zoomクライアントも入っています。そしてiRig2を使えば会場の音響設備に対して入出力ができます。つまり去年の図で言うパソコンとカメラがiPadに集約されるということです。更に素晴らしいのは今年発売された第5世代iPad ProではCenter Stageという機能がついています。これは超広角レンズで全体を捉えておきながら、勝手に話者に寄るといった超機能。昨年は人数の関係でできなかったカメラがずっと話者のアップを撮るといった映像が今年はできそうです。

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iRig 2 

www.ikmultimedia.com

Center Stage の説明 ( 08:45 から )

www.apple.com

これでカメラワークもAI任せでよく、スタッフもセッションに集中することができます!たぶん。願わくば。

AIに仕事を任せる人のイラスト

以上、配信の話でした。なお本番までまだ日があるため、もしかしたら更に色々変わるかもしれません。

 

明日のアドベントカレンダーは安田さんで「RSGTというイベントへの想いー会社全体に変化をもたらすイベントの力ー」です!