どうも、ばやしです。
うちのチームでは2週間のスプリントの締日に、ふりかえりを行っています。
毎回やっているふりかえりですがいつも同じだと飽きるしふりかえりの色んな側面を享受できないので、大体毎回違うふりかえりをやっています。
そんな中この前実施した死亡前死因分析というプラクティスが楽しかったので紹介します。
死亡前死因分析とはプリモーテムとも呼ばれ、
「計画実行前に自分たちの計画が失敗したとして何故失敗したかを考えて原因を探る」プラクティスです。
「このチームが抱えるリスクは何か?」と考えるよりも失敗した(と想定した)状態で考えることで、より楽観主義を抑え真に迫ったアイディアが出てくるのが特徴です。
私が知ったのはダニエル・カーネマンのファストアンドスローでした。
やり方は簡単で、何か重要な決定に立ち至ったとき、まだそれを正式に公表しないうちに、その決定をよく知っている人たちに集まってもらう。そして、「いまが一年後だと想像してください。私たちは、さきほど決めた計画を実行しました。すると大失敗に終わりました。どんなふうに失敗したのか、五~一〇分でその経過を簡単にまとめてください」と頼む。クラインはこの方法を「死亡前死因分析(premortem)」と名付けている。
ダニエル カーネマン,村井 章子. ファスト&スロー (下)
うちのチームではふりかえりに使ったため、問の立て方をこんな感じにしました。
「あなたが一週間休みをもらって、戻ってきたら開発チームみんなが青ざめた顔でバタバタしていました。何が起こったかを簡単にまとめてください」
最初結構無茶振りかなーと思ったのですが、みんな想像力豊かで出てきたのは生々しいものばかりでした。情報を丸めて紹介するとこんな感じです。
- 障害を起こした後、復旧しようとして失敗した
- 〇〇さんが突如失踪して、誰も△△機能に手を入れられない
- カンボジア旅行から帰ってきたら情報が流出してた
最後のカンボジア旅行のように、できるだけデティールを細かく記述することが盛り上がるポイントだと思います。
実施したチームメンバの感想はこんな感じでした。
- 面白い、出てくるものに性格が出る
- スプリントのふりかえりではないかも。ふりかえりとは別に別途やっても良い。
- 直近のタスクに追われがちで、リスクとして認識しながらも放置していたものに気づけた。
- 楽しかった。笑い事で済むようにしたいですね
個人の感想としては
- チームが表沙汰にできていない潜在的なリスクの見つめ直しに良い
- チームが一番恐れることは何かということを話し合ってもいいかも
- 何をどう恐れるかで個人の性格が出てチームメンバの相互理解につながる
- 頻繁にやるようなものではない
といった感じです。
ふりかえりでも大盛り上がりでしたが、計画の実行前(例えば大きなプロジェクトの開始前)とかでも良い気がします。
以上です。